3D映画「カールじいさんの空飛ぶ家」について感想をメモ

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さて先日見た3D映画「カールじいさんの空飛ぶ家」について感想をメモ。Pixerの第10作目となる長編アニメ。今回の端的なテーマは、死とそれを乗り越えること。それを単純明快な冒険譚に落とし込んで、かつ破綻してない見事なストーリー。メタファーは散見されるが、それは無視しても楽しめる。

てか、人間ではないアニメだからこそ、表現や演出の作り込みの度合いが作品の善し悪しに直結するはず。相当高度に計算され練り込まれていることを画面から感じるが、そうとは見せないあっさりさがステキ。スジを思い返すほどに「アレはもしかしてこうで…」などと深読みしてしまう。何度でもおいしい。

そのくせ王道たる「子供が楽しめる」ポイントがきちんとしてる。立ち回り、ギャグ、ストーリー。全てが子供をのめり込ませ、笑わせ、ハラハラ、ドキドキさせる。ディテールをザックリ落としてるように見えるけど、実は残ってる。どの理解段階でも感情移入の糸口をつけてある。対象が悪役においてもね。

表現においては、ますます「動く粘土人形」に磨きがかかった。Pixerのめざすクレイアニメの進化には限りがないようだ。今なら造作なく銀幕に人体を構築できるけど、寓話を表現する手段として、あえて粘土人形に執着してる。我に返ると、粘土が形を変え動く様子が不思議でたまらないけど(笑)

その表現をさらに押し上げているのが 3D。立体視すると見かけの解像度が飛躍的に上がるようだ。今までと同じはずの銀幕は、3D映像が始まった瞬間、劇中の「世界」を切り取った「窓」に変化した。圧倒的な解像感、そして存在感。リアリティでは言い足りない。「それはそこに存在していた」のだから。

「飛び出て驚いた!」だけが3Dではない。そんな段階は既に終わってる。この3Dでの存在感は作り物を本物に見せる。3Dで普通に表現することで、今回それを確認できたと思う。その意味でアバターは格好の素材だ。現実と写し身。「どちらがリアルなんだ?」と。3D版はプラス300円?価値は十分。